あがり症とそうでない人との違いとは?症状を軽減させる対策

あがり症のために、人と接する場面で平静でいられなくなるという方は少なくありません。
大勢の人の前でスピーチやプレゼンを行うような場面だけでなく、1対1の会話でも相手の態度や視線が気になって心臓がドキドキするという方もいるように、あがりを感じるケースは人それぞれです。
いずれにせよ、あがり症の人たちに共通しているのが、人前で自分を表現することに苦手意識を持ち、そういう場面を想像するだけでも強い緊張や不安を感じることでしょう。
あがり症は社会不安障害の一種
人前であがるというだけでは、誰でも多かれ少なかれ経験することなのであまり深刻に捉えられませんが、医学的には社会不安障害の一種とみなすことが可能です。
社会不安障害のなかのパフォーマンス限局型と診断されることもあるでしょう。大勢の人の前に立つと緊張するぐらいなら特別変わったことではありませんが、そういう場面を思い浮かべただけで心臓がバクバクしたり冷や汗をじっとりかいたり、また、手や足がわなわな震えてきたりといった症状まで表れる場合は、あがり症という病気と考えてもよい症状です。
そのことから人との接触自体を避けるようになっては、社会生活を送ることにも支障が出てしまいます。それがうつ病などの別の精神疾患につながる可能性もあるので、あまりに不安や緊張の症状が強いという場合は、「あがり症だから」とあきらめて済ますのではなく、早めに専門的な対策を取りましょう。
あがり症が起こるメカニズム
あがること自体は自然な反応ですが、あがり症となるとその反応が過剰です。
反応が過剰なあまり、日常生活を脅かすまでになっている状態とも言えます。
なぜこのような過剰反応が起きるのかというと、交感神経を刺激するノルアドレナリンというホルモンがポイントです。
このホルモンは、緊張や不安などストレスを感じた時に血中で濃度が増えます。すると、交感神経がいつも以上に刺激されて、副交感神経の働きを抑えてしまうのです。
ふだんは交感神経と副交感神経がバランスよく働いているため、私たちは心身の健康を保つことができるのですが、交感神経ばかり働くことになると、心身に無理をさせている状態を続けることになります。この異常事態に反応して体にさまざまな症状が表れるという仕組みです。
交感神経と副交感神経という2種類の神経からなる自律神経は、外部の刺激に反応して本人の自覚とは関係なく体を守るための働きを行います。
そのため、発汗や赤面などのあがり症の症状も、体が自然に反応している証拠ですから、特別なことではないと知ることが大切です。
実際、誰でも緊張する場面がありますし、緊張すればそれに体が反応して何らかの症状を起こします。
あがり症と通常レベルの緊張の違いとは?
では、ふつうの人と、あがり症というほど極度に緊張する人の違いは何なのでしょうか。
それは条件反射の違いです。
あがり症の人の場合、何度か緊張する場面を経験した結果、脳が「こういう条件がそろうととても緊張する」と学習します。
そのため、学習した条件がそろってしまえば、他人にとっては何でもないような場面でも極度の緊張を感じてしまうのです。
心理学的には、この反応を条件反射と呼びます。
あがり症でない人というのは、要はこの条件反射ができていないということです。
もちろん大勢の人の前など緊張する場面に直面すれば緊張を感じますが、あがり症の人のように、緊張する場面を思い浮かべるだけで発汗、赤面、腹痛、めまいなどの実際の場面に直面した時と同じ症状が体に表れるということはありません。
逆に、想像しただけでもこのような身体的症状が出るという人は、あがり症と考えてよいでしょう。
あがり症を軽減する方法
では、あがり症を少しでも軽減するにはどうすればよいのでしょうか。
緊張する場面に直面してから「緊張しないでおこう」と考えても遅いので、緊張しそうな機会があるとわかっているのなら、本番に備えて事前に入念な準備をしておくのが有効な方法でしょう。
プレゼンや発表などがあるのなら、本番と同じように立って大きな声で練習してみてください。
ちゃんと声を出して練習し続ければ、本番でも同じようにしっかり声が出せるようになる確率は高いです。
身体的なことでいえば、交感神経を刺激するノルアドレナリンを抑えるために、それをコントロールするセロトニンの分泌を増やすことを考えましょう。
セロトニンの分泌を促進するのはトリプトファンという成分です。
この成分を多く含む食材をふだんからしっかり食べておくことをおすすめします。
たとえば、魚や赤身の肉、乳製品などです。
これだけであがり症が完治するというものではありませんが、手軽にできる対策としてはおすすめです。
あがり症の症状を抑える「インデラル」
いろいろ試しても効果が感じられない場合は、専門的な治療を受けてみることも検討するべきでしょう。
まだ病院には行きたくないという場合は、あがり症の薬として用いられる「インデラル」という薬の力を借りるという手があります。
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